セックス後のかゆみ・ヒリヒリの原因と対処法

セックスのあと、デリケートゾーンにかゆみやヒリヒリとした痛みを感じたことはありませんか。
「すぐ治まったから大丈夫かな」「何かの感染症だったらどうしよう」と、不安になりながらも、誰にも相談できずにいる方もいるかもしれません。
セックス後のかゆみやヒリヒリ感は、必ずしも病気が原因とは限りません。摩擦や乾燥などによる一時的な刺激で起こることもあります。
一方で、おりものやニオイの変化、強い痛みなどを伴う場合には、腟炎や性感染症などが隠れている可能性もあります。
大切なのは、恥ずかしさから我慢するのではなく、自分の身体に起きている変化を知り、症状に合った対応をすることです。
この記事では、セックス後にデリケートゾーンがかゆくなったり、ヒリヒリしたりする原因と対処法、婦人科を受診したほうがよい症状について解説します。
目次
1. セックス後にかゆみやヒリヒリ感が起こるのはなぜ?
セックス後の違和感には、さまざまな原因が考えられます。
一時的な刺激で自然に治まることもあれば、治療が必要な感染症や皮膚疾患が関係していることもあります。
症状だけで原因を完全に見分けることは難しいため、まずは代表的な原因を知っておきましょう。
摩擦によって粘膜が刺激された
セックス後のヒリヒリ感で比較的多いと考えられるのが、摩擦による刺激です。
外陰部や腟の粘膜は、腕や脚などの皮膚に比べて薄く、刺激を受けやすい場所です。十分にうるおっていない状態で挿入したり、長時間強い摩擦が加わったりすると、粘膜に細かな傷がつくことがあります。
見た目では傷が分からなくても、排尿時にしみたり、下着が触れただけでヒリヒリしたりする場合があります。
摩擦による刺激が疑われるときは、症状が治まるまで性交を控え、デリケートゾーンをできるだけ刺激しないことが大切です。
痛みを我慢してセックスを続けると、さらに粘膜を傷つけてしまう可能性があります。
デリケートゾーンが乾燥している
十分にうるおっていない状態では摩擦が強くなり、セックス中やセックス後の痛み、かゆみ、ヒリつきにつながります。
デリケートゾーンの乾燥は、更年期だけに起こるものではありません。
次のような時期や状況では、年齢にかかわらず乾燥を感じることがあります。
・産後や授乳中
・月経周期によって女性ホルモンが変動しているとき
・更年期や閉経後
・疲労やストレスがたまっているとき
・十分な性的興奮が得られていないとき
・一部の薬やホルモン剤を使用しているとき
・月経周期によって女性ホルモンが変動しているとき
・更年期や閉経後
・疲労やストレスがたまっているとき
・十分な性的興奮が得られていないとき
・一部の薬やホルモン剤を使用しているとき
特に産後や授乳中、更年期以降は、エストロゲンの低下によって腟や外陰部の粘膜が薄くなり、乾燥や刺激感、性交痛が起こりやすくなることがあります。
また、閉経に伴う外陰部や腟の変化では、乾燥のほか、かゆみ、性交時の痛み、排尿時の違和感などが現れることがあります。
セックスのたびに痛みやヒリつきを繰り返す場合は、「体質だから」と我慢せず、婦人科へ相談しましょう。
ソープや潤滑剤などが刺激になった
セックスそのものではなく、使用した製品がデリケートゾーンへの刺激になっている可能性もあります。
例えば、次のようなものです。
・香料や清涼成分を含むボディソープ
・デリケートゾーン用スプレー
・潤滑剤やローション
・殺精子剤
・コンドームの素材や添加成分
・洗濯洗剤や柔軟剤
・香り付きのウェットシート
・デリケートゾーン用スプレー
・潤滑剤やローション
・殺精子剤
・コンドームの素材や添加成分
・洗濯洗剤や柔軟剤
・香り付きのウェットシート
外陰部では、石けんや洗剤、香料などによる刺激性接触皮膚炎やアレルギー性接触皮膚炎が起こることがあります。
新しい製品を使用した直後から症状が現れた場合は、一度使用を中止して経過を見ましょう。
ただし、原因と思われる製品をやめても症状が改善しない場合や、赤みや腫れが強い場合は、自己判断せず医療機関を受診してください。
洗いすぎによってバリア機能が低下した
セックス後は「清潔にしなければ」と考え、念入りに洗いたくなるかもしれません。
しかし、強くこすったり、洗浄力の強いボディソープで何度も洗ったりすると、外陰部に必要な皮脂まで落としてしまいます。
乾燥した外陰部は刺激を受けやすくなり、かゆみやヒリヒリ感が悪化することがあります。
また、腟には分泌物とともに不要なものを外へ排出する自浄作用があります。腟の中まで洗う腟洗浄やビデの頻繁な使用は、腟内環境のバランスを乱す可能性があるため注意が必要です。
洗浄料は、デリケートゾーン専用のものなど刺激の少ないものを選び、指の腹でなでるように洗いましょう。
タオルやスポンジで強くこする必要はありません。
カンジダ腟炎
強いかゆみとともに、白くポロポロしたおりものが見られる場合は、外陰腟カンジダ症の可能性があります。
カンジダは健康な人の身体にも存在する真菌の一種です。疲労、ストレス、抗菌薬の使用、妊娠、糖尿病などをきっかけに増殖し、症状が現れることがあります。
主な症状には、次のようなものがあります。
・強いかゆみ
・外陰部の赤みや腫れ
・ヒリヒリとした痛み
・排尿時の痛み
・性交時の痛み
・白く、酒かすやカッテージチーズのようなおりもの
・外陰部の赤みや腫れ
・ヒリヒリとした痛み
・排尿時の痛み
・性交時の痛み
・白く、酒かすやカッテージチーズのようなおりもの
カンジダによる腟炎では、強いかゆみ、外陰部の赤み、白く濃いおりもの、排尿時や性交時の痛みなどがみられることがあります。
以前カンジダと診断された経験があっても、別の腟炎や性感染症が似た症状を起こすことがあります。繰り返す場合や初めて症状が出た場合は、婦人科で検査を受けましょう。
細菌性腟症
セックス後に魚のような強いニオイが気になったり、灰色がかった水っぽいおりものが増えたりした場合は、細菌性腟症の可能性があります。
細菌性腟症は、腟内にいる細菌のバランスが崩れ、特定の細菌が増えることで起こります。
性感染症そのものとは位置づけが異なりますが、新しいパートナーとの性交やコンドームを使用しない性交、腟洗浄などとの関連が指摘されています。
症状がないこともありますが、おりものの変化やニオイ、軽いかゆみ、排尿時の刺激感が現れる場合があります。
カンジダに使用する市販薬では治療できません。細菌性腟症が疑われる場合は、婦人科で適切な検査と治療を受ける必要があります。
性感染症
セックス後のかゆみやヒリヒリ感に加え、次のような症状がある場合は、性感染症の可能性も考える必要があります。
・黄色や緑色のおりもの
・泡状のおりもの
・強いニオイ
・排尿時の痛み
・性交時や下腹部の痛み
・外陰部の水ぶくれや潰瘍
・不正出血
・パートナーにも症状がある
・泡状のおりもの
・強いニオイ
・排尿時の痛み
・性交時や下腹部の痛み
・外陰部の水ぶくれや潰瘍
・不正出血
・パートナーにも症状がある
クラミジアや淋菌感染症は、感染していても症状がほとんど現れないことがあります。一方、トリコモナス症や性器ヘルペスなどでは、かゆみ、痛み、おりものの変化、水ぶくれなどが現れる場合があります。
見た目や症状だけで感染症の種類を判断することはできません。
新しいパートナーとの性交後に症状が出た場合、コンドームを使用しなかった場合、パートナーに症状がある場合は、早めに検査を受けましょう。
検査結果が分かるまでは性交を控えるか、少なくともコンドームを使用してください。

2. セックス後に違和感があるときの対処法
軽い摩擦や刺激が原因と考えられ、強い痛みや異常なおりものがない場合は、次のようなケアを行いながら様子を見ましょう。
患部をこすらない
かゆくても強くかくと、小さな傷ができて炎症が悪化します。
下着やナプキンが触れるだけでも痛む場合は、締め付けの少ない衣類を選びましょう。
ぬるま湯でやさしく洗う
熱いお湯や洗浄力の強いソープは避け、外陰部だけをやさしく洗います。
腟の中まで洗う必要はありません。
洗ったあとはこすらず、柔らかいタオルで軽く押さえるように水分を拭き取りましょう。
症状が治まるまで性交を休む
痛みがある状態で性交を繰り返すと、摩擦によって炎症が悪化する可能性があります。
症状が治まるまでは無理をせず、身体を休ませましょう。
外陰部の乾燥を防ぐ
乾燥や摩擦が気になる場合は、デリケートゾーンの外側に使用できる低刺激の保湿アイテムを取り入れる方法もあります。
ただし、化粧品は感染症や腟炎を治療するものではありません。強い症状があるときや、おりものに異常があるときは、保湿だけで済ませず医療機関へ相談してください。
次回は潤滑剤を活用する
性交時に乾燥しやすい場合は、無理に挿入を続けず、十分な時間をかけることが大切です。
必要に応じて潤滑剤を使用すると、摩擦を軽減できる場合があります。
香料や清涼成分などが刺激になる人もいるため、成分がシンプルで、腟やコンドームへの使用が想定されている製品を選びましょう。
3. 自己判断で市販薬を使用する前に
「かゆいからカンジダだろう」と考えて、市販の腟錠や抗真菌薬を使用したくなるかもしれません。
しかし、カンジダ、細菌性腟症、性感染症、接触皮膚炎などは、症状が似ています。
原因と異なる薬を使用しても改善しないばかりか、かぶれや刺激が悪化することがあります。
市販のカンジダ治療薬は、過去に医師からカンジダと診断され、今回も同じ症状だと判断できる人などを対象としている場合があります。初めて症状が現れた場合、妊娠中、症状を繰り返す場合などは、先に医療機関へ相談しましょう。
4. 婦人科を受診したほうがよい目安
次のような症状がある場合は、早めに婦人科を受診してください。
・かゆみや痛みが強い
・数日たっても改善しない
・セックスのたびに繰り返す
・おりものの量、色、ニオイが普段と違う
・排尿時に強い痛みがある
・下腹部痛や発熱がある
・水ぶくれ、潰瘍、ただれがある
・性交後に出血した
・妊娠中に症状が出た
・性感染症の可能性がある
・パートナーにも症状がある
・数日たっても改善しない
・セックスのたびに繰り返す
・おりものの量、色、ニオイが普段と違う
・排尿時に強い痛みがある
・下腹部痛や発熱がある
・水ぶくれ、潰瘍、ただれがある
・性交後に出血した
・妊娠中に症状が出た
・性感染症の可能性がある
・パートナーにも症状がある
外陰部や腟のかゆみは、感染症だけでなく、皮膚疾患や女性ホルモンの低下などでも起こります。腟炎の原因によって治療法は異なるため、症状が続く場合には診察と検査が重要です。
発熱や強い下腹部痛、大量の出血などがある場合は、早急に医療機関へ相談してください。
5. セックス後のケアは「洗う」より「守る」
セックス後のかゆみやヒリヒリ感を防ごうとして、何度も洗ったり、香りの強い製品でニオイをごまかしたりすると、かえってデリケートゾーンの負担になることがあります。
大切なのは、必要以上に洗浄することではありません。
摩擦を減らすこと、乾燥を防ぐこと、刺激の強い製品を避けること、そして普段との違いに気づくことが、デリケートゾーンを守るための基本です。
セックス後に一時的な違和感が起こること自体は、珍しいことではありません。
しかし、繰り返すかゆみや痛み、ニオイやおりものの変化は、身体からのサインである可能性があります。
「この程度で病院へ行ってもいいのかな」と我慢する必要はありません。気になる症状があるときは婦人科へ相談し、自分の身体に合ったケアを見つけていきましょう。
参考文献
※1
American College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG)「Vaginitis」
カンジダ症、細菌性腟症、トリコモナス症など、腟炎の原因・症状・診断・治療について。
American College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG)「Vaginitis」
カンジダ症、細菌性腟症、トリコモナス症など、腟炎の原因・症状・診断・治療について。
※2
American College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG)「Vulvovaginal Health」
腟内環境の仕組み、外陰部・腟の健康、カンジダ症や細菌性腟症などについて。
American College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG)「Vulvovaginal Health」
腟内環境の仕組み、外陰部・腟の健康、カンジダ症や細菌性腟症などについて。
※3
American College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG)「Disorders of the Vulva: Common Causes of Vulvar Pain, Burning, and Itching」
外陰部の痛み、ヒリヒリ感、かゆみを引き起こす接触皮膚炎や皮膚疾患、摩擦による刺激について。
American College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG)「Disorders of the Vulva: Common Causes of Vulvar Pain, Burning, and Itching」
外陰部の痛み、ヒリヒリ感、かゆみを引き起こす接触皮膚炎や皮膚疾患、摩擦による刺激について。
※4
Centers for Disease Control and Prevention(CDC)「Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021」
クラミジア、淋菌感染症、トリコモナス症、性器ヘルペスなどの性感染症の診断・治療・予防について。
Centers for Disease Control and Prevention(CDC)「Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021」
クラミジア、淋菌感染症、トリコモナス症、性器ヘルペスなどの性感染症の診断・治療・予防について。
※5
Centers for Disease Control and Prevention(CDC)「Vulvovaginal Candidiasis」
外陰腟カンジダ症によるかゆみ、痛み、性交痛、排尿時痛、おりものの変化と治療について。
Centers for Disease Control and Prevention(CDC)「Vulvovaginal Candidiasis」
外陰腟カンジダ症によるかゆみ、痛み、性交痛、排尿時痛、おりものの変化と治療について。
※6
Centers for Disease Control and Prevention(CDC)「Bacterial Vaginosis」
細菌性腟症の原因、症状、リスク因子、検査および治療について。
Centers for Disease Control and Prevention(CDC)「Bacterial Vaginosis」
細菌性腟症の原因、症状、リスク因子、検査および治療について。
※7
Centers for Disease Control and Prevention(CDC)「Vulvovaginal Symptoms」
かゆみ、灼熱感、おりもの、ニオイなどの症状は、問診だけでは原因を特定できない場合があり、診察や検査が必要であることについて。
Centers for Disease Control and Prevention(CDC)「Vulvovaginal Symptoms」
かゆみ、灼熱感、おりもの、ニオイなどの症状は、問診だけでは原因を特定できない場合があり、診察や検査が必要であることについて。
※8
National Health Service(NHS)「Vaginal dryness」
腟の乾燥の原因、性交時の不快感、潤滑剤や保湿剤の使用、医療機関へ相談する目安について。
National Health Service(NHS)「Vaginal dryness」
腟の乾燥の原因、性交時の不快感、潤滑剤や保湿剤の使用、医療機関へ相談する目安について。
※9
West Suffolk NHS Foundation Trust「Vulva—Care of Vulval Skin」
外陰部をこすらずに洗うこと、香料入り製品や刺激の強い洗浄料を避けることなど、外陰部の基本的なケアについて。
West Suffolk NHS Foundation Trust「Vulva—Care of Vulval Skin」
外陰部をこすらずに洗うこと、香料入り製品や刺激の強い洗浄料を避けることなど、外陰部の基本的なケアについて。
※10
Mayo Clinic「Vaginitis: Symptoms and Causes」
腟炎の症状、香料入りソープ、腟洗浄、洗剤、殺精子剤などによる刺激と、エストロゲン低下による乾燥について。
Mayo Clinic「Vaginitis: Symptoms and Causes」
腟炎の症状、香料入りソープ、腟洗浄、洗剤、殺精子剤などによる刺激と、エストロゲン低下による乾燥について。
※11
Mayo Clinic「Vaginal Dryness」
腟の乾燥は年齢を問わず起こる可能性があり、性交時の痛みや刺激感につながることについて。
Mayo Clinic「Vaginal Dryness」
腟の乾燥は年齢を問わず起こる可能性があり、性交時の痛みや刺激感につながることについて。
※本記事は、上記の情報を参考に一般向けに作成したものです。症状の原因や必要な治療は人によって異なります。かゆみや痛みが続く場合、おりものやニオイに変化がある場合、性感染症の可能性がある場合は、婦人科などの医療機関へご相談ください。
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